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「オケハザマ」
久しぶりにスズナリへ。
下北沢自体がひさしぶり。カワサキに拠点を移してからというもの、シモキタっぽいものから確かに遠ざかっている。駅の変化についてはここで字数を使わない。
今日の演目は自分で選んではなかなか観に行かないもの。
それがいいのだ。
演劇人は自分で選んで観に行くもの自体にバイアスがかかっているのだから。
アングラ。
大学時代にはひとことで片づけられるそれに「で、それどんな芝居なのよ」と思っていたもの。今観るとその特徴がわかり過ぎてて、笑ってしまう。
面白いのだ。
見ている間には何も考えなくて良い。
そのほとんどは「異世界」へ連れて行ってくれる。
だがある程度大人になると、そのカタルシスに少し意地悪い「ちゃちゃ」が入る。
そこに浸れなくなったとき、地下から人は外に出るのだろう。
そしてそれは文化として残る。
あれも演出、これも演出。
演出、という作業が果てしなく遠い、広い、深いものに思える。
いや、単に時代を映す鏡なのかもしれない。
鏡になり切れるかどうか。
楽しく、飽きない2時間。技術を駆使した映像に、ポップな音楽、ところどころにちりばめられた現代を風刺する台詞。
ただ、ワクワク、ゾクゾクはしなかった。
それがなぜなのか。
考えている。
考えなくてはいけない。
「アングラ」という枠組みを踏みつけ、利用して日向に出ようとしていたかつてのアングラ演劇にはひどく心を揺さぶられたものなのだけれども。
今日の芝居の中にも「世代間の格差」はあった。
考えよう。
『オケハザマ』
作 しりあがり寿
脚本協力 竹内 佑(デス電所)
演出 流山児祥
演出協力 林 周一(風煉ダンス)
音楽 坂本弘道
塩野谷正幸
伊藤弘子
上田和弘
谷 宗和
甲津拓平
小林七緒
里美和彦
柏倉太郎
平野直美
坂井香奈美
武田智弘
山下直哉
荒木理恵
山丸りな
五島三四郎
佐原由美
森 諒介
星 美咲
竹本優希
橋口佳奈
山像かおり
井村タカオ(オペラシアターこんにゃく座)
成田 浬
勝俣美秋(劇団わらく)
水谷 悟(WGK)
眞藤ヒロシ
林 周一(風煉ダンス)
堀井政宏(風煉ダンス)
外波山流太(風煉ダンス)