女の夢
「しんしゃく源氏物語」
待つ女。
源氏物語の第6帖に出てくる、登場人物中最も印象的な女性、末摘花。
ベニバナのような赤鼻を持つ一途な姫君を、盟友池田真紀子が好演。
座組もとてもバランスが良く、安心して観ていられる。
鈴木さんの頃から上演されているSPACのレパートリー作品。(もちろん、出演俳優は違うが)
ラストシーン、待ち続けて、女房たちにも愛想をつかされてしまった不器用な姫君のもとへ、源氏の君がついにやってくる。
ここで、もしも姫が会うことを拒否したらこれは三島の描いた『サド侯爵夫人』の変奏曲になるのかもしれない、などと考える。
源氏物語では末摘花は幸せになるということは知っている。
本論はそこにはない。
女の幸せではなく、女の「夢」を描いた物語なのだ。
1月27日(土)19時~
静岡芸術劇場
姫:池田真紀子
少将:舘野百代
宰相:石井萠水(Aキャスト)/ながいさやこ(Bキャスト)
侍従:山本実幸
叔母:河村若菜
右近:大内智美
左近:ながいさやこ(Aキャスト)/石井萠水(Bキャスト)
(※Bキャストにて観劇)